水処理に関する知識

  • TOP
  • 水処理に関する知識

水処理に関する知識

目次

1.純水とは

純水の定義
 通常、水に溶解している物質の大部分が電解質であることに注目し、その溶解イオン量を測定し、水の純度を定めている。純水な水ほど電気を通さない。

2.イオン交換樹脂の概要

1.イオン交換樹脂

 イオン交換樹脂は、イオンを交換する能力を持った合成樹脂で、従来の合成樹脂が可塑性・弾性・電気特性や耐熱性などの物理的性質により合成繊維やプラスチックとしてするのと異なり、イオン交換樹脂はその化学反応性を利用する機能性高分子合成である。

2.イオン

 イオンとは、+または-の電荷をもつ原子や分子、あるいはそのグループを意味する。+と-はお互いくっつき合い、+と+、-と-とはお互いに反発し合う。
  イオンには、陽イオン(カチオン)と陰イオン(アニオン)があるわけであるが、それぞれ単独の状態では非常に不安定であり、陽イオンと陰イオンがくっついている状態が安定した姿である。

イオン交換樹脂の概要
 水や食塩は陽イオンと陰イオンの強さが均衡いているので「中性」を示すが、塩酸は陰イオン(Cl)が強いので「酸性」、苛性ソーダは陽イオン(Na)が強いので「アルカリ性」を示す。

3.イオン交換

 イオン交換樹脂には、多数の手(交換基又は官能基と呼ぶ)がついており、この手には、イオンに対する好き嫌い(選択性、親和性の大小)があって、いま握っているものより好きなものがくると、いままで握っていたものを遠慮なく捨てて、より好きなものを新しく握るのである。これがイオン交換である。
  イオン交換は、あくまでもギブアンドテイクであり、例えば硬水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンをイオン交換樹脂で軟化する場合に、カルシウムやマグネシウムは樹脂に吸着されて後にはなにも残らないように思いがちであるが、実際はカルシウム、マグネシウムの変わりにそれまで樹脂の手に握られていたナトリウムが水の中に出てきているのである。

イオン交換

3.水中不純物

不 純 物 障  害 備  考
Ca, Ma 1.ボイラー、熱交換器等の配管などにスケールを生成し、熱伝導を悪くする。時には部分的加熱を起し、装置を損傷する。 一般的に硬度成分といい深井戸水に多く、表流水には少ない。
2.洗濯用とすると、石鹸を浪費する。
3.染色を阻害する。
4.NaOHを溶解するときMg(OH)を沈殿する。
Fe 1.鉄化合物の沈殿生成により汚染し、染色、皮なめし、製紙、化学繊維、ブラウン管製造などにおいて変色、着色する。 一般に深井戸水はFeを多く含む。
アルカリ度
(HCO3, CO3, OH)
1.かん水の泡立ちとキャリーオーバー、苛性脆化の原因となる。 通常の天然水中にはHCO3のみでCO3,OHなどはない。深井戸水は通常アルカリ度は高い。
2.CO2を発生し鋼材を腐食する。
3.水のpHを高め鉱酸を中和するので、染色や製造工程におけるコントロールを妨害する。
塩化物(Cl) 1.腐食性を増加する。 海水の混入により増加する場合が多い。
シリカ(SiO2, H2SiO3) 1.ボイラーや冷却装置にスケールを生成する。 日本の水には比較的多い。導電率には影響しない。
2.タービン翼に硬質の不溶性沈着物を生ずる。

4.逆浸透法概要

1.逆浸透法による脱塩の仕組み

 水は通すが、塩分はほとんど通さない半透膜で容器を仕切り、その片側に海水をいれて海水に圧力を加えることにより、淡水だけを透過させる方法です。電気消費量が少なく、操作が簡単であることから、最近は海水淡水化装置に多く採用されています。

逆浸透法概要
浸透現象 半透膜を境にして一方に淡水、他方に塩水を入れますと、同じ濃度になろうとして淡水が半透膜を通って塩水側に移動します。
浸 透 圧 ある一定の量の淡水が塩水側に移動したところで水の移動が止まる。このときの水位差が浸透圧である。
逆 浸 透 浸透圧以上の圧力を塩水側にかけると、逆に塩水中の水が半透膜を通って淡水側に押し出される。

2.逆浸透システムの概要

 逆浸透システムの概要を下図に示します。このシステムにおいては心臓部である逆浸透モジュールを中心に、システムを効率よく運転するための補助機器とともに形成されています。

前処理 原水はモジュールに供給する前に幾つかの前処理が行なわれます。逆浸透モジュールに有害な物質や要因をあらかじめ除去し、逆浸透モジュールに適した供給水を得るための操作です。
通常は次のような処理が行われます。
(1)殺菌処理(システム、逆浸透モジュールの微生物汚染を防止)
(2)凝集、沈殿、ろ過処理(原水中の微粒子除去のため)
(3)pH調整処理(スケールコントロールのため)
逆浸透 前処理された原水は高圧ポンプにより加圧され、逆浸透モジュールに供給されます。モジュールからは膜を透過した水と、透過せず濃縮された水が別々に取り出されます。
後処理 透過した水、濃縮された水はそれぞれの目的に合わせた後処理を行った後使用され、あるいは排出されます。

例えば海水を淡水化して飲料水を得る場合
(1)水道水基準に合わせるためにアルカリ剤を添加してpHを調整します。
(2)殺菌剤を添加します。

5.EDI(連続電気再生式純水装置)概要

 EDIシステム(連続電気再生式純水装置)は、イオン交換樹脂法による水の純水処理を行なうと同時に、イオン交換樹脂に吸着された各種イオンを、イオン交換膜を使用した、電気透析により、連続再生を行なう理想的な純水装置です。 このシステムは、イオン交換樹脂法に付き物の、薬品による再生を行なわないため、運転コストが安いと同時に、数多くの特徴を持っています。

EDI(連続電気再生式純水装置)概要

 EDIシステムは、図-1に示すように水が脱塩室である混床のイオン交換樹脂を通過します。この時に各種イオンはイオン交換樹脂に吸着され、純水が生産されます。

 イオン交換樹脂に吸着されたイオンは、電気透析により再生されます。
(1)両端に電極板を置いて、直流電力を印加します。
(2)直流電力により、陰イオンは陽極板の向かって移動します。
(3)陽イオンは、陰イオンと逆の方向(陰極板)に向かって移動します。
(4)この時、陰イオンは陰イオン交換膜は通過しますが、陽イオン交換膜に通過を阻止されます。
(5)逆に、陽イオンは陽イオン交換膜は通過しますが、陰イオン交換膜に通過を阻止されます。
(6)これらによって、イオン交換樹脂に吸着された各種イオンは、濃縮室に集められます。

 EDIシステムは、高性能な専用イオン交換膜により、完全なイオン吸着を行なうと同時に、理想的な再生を行うシステムです。
 先人によって培われた、偉大なる二つのプロセスはここに融合し、EDIシステムとなって更に発展を遂げました。